June 2007アーカイブ


Mr.Kubo lectured at The Society of Photographic Science and Technology of Japan


昨日、もっとも尊敬するプリンターであり、
今となっては、もっとも大切な同士でもある
プリンターの久保元幸さんが、学会において講演をされたのです。
しかもその内容は、共に進めてきた「湿板プロジェクト」について。
そうなると、ぼくにとっても他人事ではなくて、
勝手にドキドキしながら、拝聴させてもらいました。
すごくいい講演だったのはもちろんのこと、
何といっても、自分自身のことだからということではなくて、
そのすべてが、ただの思いつきだったり、ただの実験ではなくて、
本当のことなのですから、すごく説得力がありました。
しかも、その過程は現在進行形なのです。

久保さん、お疲れさまでした。
そして、会場でも話しましたように、
これからも楽しくやっていきたいと思っています。
やはり、続けることで生まれてくるものというのは、
まだまだたくさんあるようです。

それにしても、久保さんと一緒に進めていくいろいろが
この先も目白押しですので、お楽しみに!



今日は一日中、雨上がりの気持ちのいい青空。
そのゆるやかな風にたなびくように雲が流れて、
ちょっときれいな夕暮れだったので、
久しぶりにそんな空をゆっくりと観ていた。

最初、雲に隠れていた夕日が、
そのうちすがたを現して、今度はゆっくりと沈んでいく。
一日が暮れていこうとする瞬間だというのに、
その印象は、どこかで始まりを意味しているかのようにも見える。

そんな風に感じたので、
Flickerに”今日の空”としては初めて”Set”を作ってみたので
たまには、スライドショーでお楽しみ下さい。

ねっ、終わる気がしないでしょ?


070622 ajisai at nakameguro


今日は、ようやく梅雨らしい雨。。。

何だか、ここのところ季節外れの夏日が続いていたこともあってか、
どこかで、ただ雨が降っただけで、
少し安心したりするから不思議ですね。

そんな雨に濡れながら、ひっそりと咲いている
紫陽花の花が、とてもきれいでした。


ここのところ、すっかりブルース三昧なんですが、
最近のお気に入りは、ライトニン・ホプキンス。
梅雨空の下で聴く、彼のアコギはやけにしみます。。。


ライトニン・ストライクス(紙ジャケット仕様)


本日19日より、東京国立近代美術館にて
アンリ・カルティエ=ブレッソン 知られざる全貌
と題された、大回顧展が始まった。
ぼくは、たまたま招待状をいただいたので、
一足先に、昨日その展覧会を観てきました。

とにかく、ものすごい数の写真、写真、写真。
これだけの数のブレッソンの写真が一堂に会すというのは、
特に日本においては、最初で最後かもしれません。
それだけでも、十分に観る価値があるというもの。
とはいうものの、もちろん数が多ければいいということでもありませんよね。
しかし、それでもある程度の数になって、
初めて浮かび上がってくるものがあるのも、たしかなことで、
個人的には、その部分をとても強く感じた展覧会だったのです。

ぼくも今までは、ブレッソンの写真と向かい合うとき、
一番最初の印象は、「いいなー、きれいだなあー」だったのです。
しかし今回は、今までとは全然ちがう印象を持って、
ブレッソンの写真を観ることが出来たのです。
それは、もちろん今回だって、すごくきれいなのです。
しかも今回は、ぼくもはじめて観たのですが、
本人自らがプリントしたものと、
有名なガスマンというプリンターがプリントしたものが中心ですから、
その、ものとしての美しさは際立っています。
しかし、今回のブレッソンの展覧会は、
そういった写真的な美しさであるとか、
クオリティーの高さであるとかよりも、
もっと大きくて大切なものがあるということを、
改めて示唆してくれたような感じていました。
それというのも、ブレッソンは自らを
「ジャーナリスト」と読んでいました。
もちろん、それは盟友ロバート・キャパと共に
写真家集団「マグナム」を作ったことでもたしかなのですが、
そのことを、今回ほど強く感じたことはありませんでした。
そして、彼独特の茶目っ気まじりの皮肉たっぷりに
「人間は、この世の中は、けっこうおもしろい。」
と言っているかのように、感じることが出来ました。

だからぼくは、改めて「やっぱり写真って、いいよなあー」
なんて思いながら、楽しく写真を観ることが出来ました。
また、そんなブレッソンの写真を観れば観るほどに、
「やっぱりキャパっていう人は、すごい人だったんだなあー」
とも、改めて思ったのです。

そして、それはブレッソンよりもキャパといったような、
どちらが上とか下とか、そういう次元の話ではなくて、
とても大きくて魅力的な写真の世界みたいなことなのです。
どうやらぼくは、そのあたりに心奪われて、
今でも毎日、楽しく写真がやれているのだと思うのです。

いずれにしても、この写真展は、
ぼくのような写真を生業にしている人のみに限らず、
特に今となっては、そんなブレッソンの写真も
とかくクラシックとして扱われがちではあるのですが、
いやいやいや、というよりはむしろ、
デジタルカメラという便利な道具を使って、
もっと楽しく写真を撮るための、
大きなヒントがたくさんつまっているような気がします。

そして、だからこそ今、まだせっかく残っているのだから、
ぼくはあえてブレッソンと同じように、
カメラという道具と共に、フイルムと印画紙の組み合わせで、
徹底的に、もう一度改めて写真を撮ってみたいと思ったのでした。

そんな展覧会でした。
ぜひとも、足を運んでみてくださいね。
うそのない写真の世界は、すごく楽しい世界だと思いますよ。


ちなみに、今展覧会の図録は小さいし、掲載点数も少ないので、
「記念に!」と思う方以外は、こちらがおすすめです。
実は展示も、ほぼこの写真集の順番で構成されています。


アンリ・カルティエ=ブレッソン写真集成


今日は朝から、まさに”堰を切ったように”
という言葉がぴったりの大雨。

「今日はそんな一日」と思っていたら、
午後になって、みるみるうちに空には
白い雲と青い空が拡がっていった。

大雨のおかげで、めずらしく東京のど真ん中でも、
やわらかい緑の香りと共に雨のにおいがした。

そして、いつものように、
そんな空模様に、引っ張られながら、
ぼくの中でも、いくつかのことが
スッキリとすがたを現してきたような。。。

そういえば、ここのところ、
具体的にも、自身がMacから少し離れたところで
仕事をすることが多くなってきていることもあって、
またしても、久しぶりの更新。

相変わらず、いろんなことが動いているけれど、
ここへ来て、湿板写真にまつわるいろいろが、
ちょっとにぎやかになってきた感じ。


先週は、ぼくも協力させていただいた
群馬県立博物館で開催された
「幕末の写真誌夫妻・島霞谷と島隆」展を観に群馬へ。
その足で総勢12人、秘湯”法師温泉”へ。
そして、東京に戻ってくると、NHKから連絡があり、
「日本最古の湿板写真が見つかった!」とのニュース。
しかも撮影者は、あの”ジョン万次郎”!
ぼくは、その写真についてのコメントを求められて、
インタビューに応じただけのことだけど、
とにかく、すごくいい写真だったのです。

それは、とても強い意志を持って、
新しい未開の世界に向かうすがたそのものが
写っているかのような写真だったのですよね。

そして、そんなジョン万次郎の”おもい”に、
ぼくは大きく共感することが出来たのです。

きっとそれは、新たに何かをやってみようと思っている
すべての人々に勇気を与えたのではないでしょうか。

しかも、その写真の中には、
それを楽しんでいるジョン万次郎の”おもい”も
しっかりと写っているのです。

どうやら、まだまだ楽しいことが起きるような。。。

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