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先日、京都展にて、久しぶりに会った友人から
「これ、菅原さんの誕生日の本!」と、
1冊の文庫本をいただきました。

これは「未来屋書店」という本屋さんの企画で
同じ誕生日の作家が書いた本をセレクトして、
BIRTHDAY BUNKO」として特別のコーナーを作って
各書店で展開しているようです。

ちなみに、ぼくの誕生日5月26日の「BIRTHDAY BUNKO」は
まだ読んでいませんが、渡辺慧さんの「知るということ」という哲学書?

そして、その文庫をプレゼントしてくれた友人の誕生日は2月18日。
その日の「BIRTHDAY BUNKO」は
オノ・ヨーコさんの「グレープフルーツ・ジュース」という詩集。
この本は、1964年にわずか500部という限定本として出版され、
1970年に英語版が、そして1993年に33点の写真と共に復刻されました。
その後、現在に至るまで文庫として発売されています。

その22年前に復刻された本の中に、ぼくの写真も1枚入っています。
そのことを知らなかった友人は、
この本を奥さまからプレゼントされたそうなのですが、
ページを捲って、ぼくの写真を見つけて、たいそう驚いたとのこと。

そんなちょっとした偶然ではあるのですが、
このように、ひとつの企画によって立ち現れてくれた過去が、
今、こうやって新たな時間を生み出すこともあるのですから、
これはとても"うれしい偶然"でした。

そして、ぼくの写真の横には、

「呼吸しなさい。」


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20151017 16:52 Shikotsuko Hokkaido


現在、北海道に出張中ですので、
今週は、そんな出張先から「今日の空

相変わらず、北の空が続いています。
昨日は、日没を迎える支笏湖にての「今日の空」
秋は、東京と北国に気温差が大きい季節。
ここ北海道では、日が落ちると一気に寒くなります。
どうやら、こちらの今年の冬は少し早いような。。。

昨日も、支笏湖では夕方になって大量の"雪虫"が発生。
この虫が出てくると、およそ一週間ほどで雪が降ると言われています。
湖面では、大量のヒメマスが、そんな虫たちを食すために
大きく湖面を揺らしながら群れをなしていました。

そして今週は、23日より先週お知らせした「北 Kita」展が始まります。
そんな折に、今日もこの北国の空の下にいることを不思議に思いながら、
そして、写真展に出展する"津軽の空"に思いを馳せて、
ぼくは、今日もまた、北の空を見上げています。


先日、震災直後より続いている「DUST MY BROOM PROJECT」では、
今年は、昨年の石巻に続いて、気仙沼市立中井小学校にて、
友人の現代美術作家・大巻伸嗣さんのプロジェクト
「Memorial Rebirth」を開催しました。
この「Memorial Rebirth」は、日常の中にもう一つの日常として
シャボン玉を通じて、新たな光の記憶を構築することを
ひとつの目的とするインスタレーションでもあります。

そして今回の会場に選ばれた中井小学校では、
未だに、校庭のその半分は仮設住宅。
ですので、このような場所に多くの人々が集っての催しが、
本当にそこに暮らす人々にとって、楽しいこととなってくれるのか
そのことがぼくは、当初からとても気になっていました。

それでもぼくたちは、多くの人々に、そして子供たちに、
少しでもたくさんの笑顔が生まれることを願って、
青南商事の社員、東北大学の学生、東京芸大の学生、
そして、中井小学校の校長先生をはじめとした皆さんの力を借り、
朝から手際のよい微笑ましい連携で、50台の大型シャボン玉製造機を
校庭の中心に、山のように積み上げました。

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心配していた天気も、これまたいつものように天気予報を覆し、
とはいうものの、途中、通り雨もありましたが、
昼の部も、夜の部も、晴れやかな空の中で、
キラキラとシャボン玉が舞っていました。

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そして始まってみると、子供たちが楽しそうなのはもちろんのこと、
最終的には、隣接する仮設住宅の皆さんも全員、
宙に舞う、大量の虹色のシャボン玉を観に、家を出て来ました。
そのことが、とてもうれしかった。。。
そして、そんな仮設住宅の方からの
「ありがとうございました。」という言葉は、
ぼくたちにとっても、何よりの喜びでした。

ここ気仙沼も、復興という言葉には、まだまだ時間がかかりそうですが、
それでも一歩一歩進んでいくその歩みに、
これからもぼくたちも一緒に歩んでいこうと考えています。
打ち上げ時に聞いた、スタッフ全員の言葉にも、
そんな気持ちが溢れていました。

現在、ぼくと田尾ちゃんと大籏くんとで撮影した
写真と動画を編集中です。
こちらも完成したら、ご覧に入れられると思います。

そして来年の"311"には、岩手県山田町での
「DUST MY BROOM Memorial Rebirth」の開催が決定しています!

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先週お話した、現在青山ブックセンター本店にて催されている
100人がこの夏おすすめする一冊」にて、ぼくが選ばしてもらった本が、
今回ご紹介する「長田弘全詩集」です。

長田弘さんという詩人のことは、
実はお名前だけは以前から知ってはいたのですが、
しっかりと認識したのは、あの東日本大震災の時でした。
長田弘さんは、福島出身の詩人ということで、
ある媒体で、震災についてのコメントを寄せられていたのですが、
そこには、このような言葉がありました。

「今回の震災で、一番の苦しみは、
このかけがえのない日常が失われてしまったこと。」

ぼくの中では、この言葉がとても心に残っていました。
なぜならば、ぼくにとっての写真行為というのも、
毎日続けている「今日の空」もそのひとつですが、
すべては、この日常の中から生まれているものに眼差しを向け、
その結果として成立しているものだと思っているからかもしれません。

そして数ヶ月前に、偶然長田弘さんの
「グレン・グールドの9分32秒」という詩を知りました。
グレン・グールドは、ぼくが最も大好きなピアニスト。
詩の内容は、そのグールドが自らピアノ曲として編曲した
ニュルンベルグのマイスタージンガー」の前奏曲について。
もっと簡単に言うと、その一枚のレコードと、
作者長田弘さんとのちょっとしたかかわりのお話し。
しかしぼくは、その詩を初めて読んだとき、
そのアナログレコードを奏でているであろう部屋の状況や、
針を落とす瞬間であるとか、
そこにある光の有り様さえも、
もちろん勝手な想像ではあるのですが、
ひとつの"ある日常の光景"として、目に浮かんで来ました。

長田弘さんは、残念ながら今年5月にこの世を去りました。
驚くことに、亡くなる前日のインタビューで、こんな話をされています。
"patriot"というと、通常は"愛国"のように訳されます。
そして"patriotism"となると、当然"愛国心"となります。
しかし、長田さんは"patriot"とは、本来"生活様式"のことを指し、
ですので、自身にとっての"patriotism"とは、"日常愛"のことであり、
自身のすべての詩は、そこから生まれている。とのことでした。

そんないろいろに導かれて、今回ご紹介する「長田弘全詩集」という、
詩人・長田弘さんのまさに全ての詩が、
そして全人生がつまっている大きな詩集を手に入れました。
こんな立派な詩集を手にしたのも久しぶりだったので、
うれしくなって、旅の途中に一気に読み進めたのですが、
すると、「グレン・グールドの9分32秒」だけではなく、
そこに綴られているすべての詩たちが、
まるでそれが当然のことのように、それぞれの情景を描き、
それはまるで、どこか夢の中の光にも似た、
"もうひとつの日常"とでも呼べばいいのでしょうか、
リアルなのに、だからといってすべてがリアルではない
不思議な世界の中にあるように感じました。
そして、それはぼくにとって、とても"写真的"な体験でもあったのです。

というわけで、今回はこの一冊を「この夏おすすめの一冊」とさせてもらいました。

東京は、それでも少しは和らいできたものの、まだまだ暑い日が続いています。
そんな日は、たまにはこんな詩集でも読みながら
"日常という夢の世界"を、ふらふら彷徨ってみてみてはいかがでしょうか。


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ここのところ、すっかりこのブログも、Facebookもご無沙汰ですが、
今日から、ちょっと思うところあって、まずは出来る限りということで
毎週月曜日に「ほぼ週刊菅原一剛」のようなブログを更新してみようかと。
まずは、ゆるりとちょっとしたお知らせより始めてみます。

そんな最初の月曜日は、ちょうど本日8月10日より8月12日まで、
新千歳空港ターミナルビルのセンタープラザにて開催される
マテック主催の「リサイクルアート展2015」展示会場に
ぼくの「十勝」の大型プリントが7点展示されます。

リサイクルというのも、人々の手によって作り出されるものですが、
実は、北海道は、中でも十勝地方もまた、人々の手によって、
開墾、そして開拓というかたちで、大きく育まれてきた土地。
ぼくの中でも、それはまだまるで消化できているわけではないのですが、
ただ美しいだけの北海道の光景だけではなくて、
少しでも、そんなこれまでの人々の思いのようなものが写ってほしくて、
ぼくなりにそんな思いを込めて「十勝」の写真を撮っています。
今回の展示は、点数も少ないし、あくまでも参考出展ですので、
まさにぼくの中でも、はじまりのような展示になっています。
そしてこの「リサイクルアート展」は、この新千歳空港での展示の後、
8月15日(土)〜8月17日(月)は、帯広市民ギャラリーへ巡回します。
その展示と共に、十勝の写真も観ていただけたらうれしいです。

また、もう一つお知らせです。こちらは東京。
2015年8月5日〜2015年9月30日まで、
青山ブックセンター本店のメインフェアの棚で展開される
100人がこの夏おすすめする一冊
ぼくも一冊選ばせていただきました。
ぼくが選んだ本については、また改めてお話ししますが、
ほかの方が選ばれた一冊にも、興味深い本がたくさんあります。
是非、青山ブックセンター本店までお越しください。

ではまた来週月曜日に。



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この「今日の空」を始めて、13年目となりますが、
その間に、インターネットの環境は大きく変わって行きました。
今では、"写真を撮って"~"アップロード"する
なんていうことも、当たり前の時代です。

その中で、生まれてきた"SNS"とよばれる
"Twitter"や"Facebook"などなど。
ぼくも、いろいろと試行錯誤を繰り返しながら試してみましたが、
ここへ来て、今一度、当たり前の話なのですが、
ひとつひとつのコンテンツに対して、
もう少しわかりやすい交通整理のようなことをしてみようか考えました。

そこで、まずはここのところ「今日の空」も、自身のHPへの更新後、
"Twitter"に"Facebook"そして"Instagram"にもアップロードしていましたが、
当面は"Instagram"は、写真に特化したSNSということもあり、
"Instagram"のみにリンクをアップロードしてみたいと思っています。

これを機に、自身のHPのリニューアルも含めて、
定期的なBLOGの更新を予定していますので、
楽しみにしていただけたらうれしいです。
これからもよろしくお願いします。

instagram.com/strawberrypicture/
ichigo.tokyophoto.ne.jp


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9年前に制作が始まったTVアニメ『蟲師』
ぼくはオープニングディレクターとしてこの作品に参加し、
その26話のエンディングの制作も担当してきました。

そんなアニメ『蟲師』は、幸運にも昨年より『続章』として続きの制作が始まり、
今回ご紹介する『鈴の雫』をもって、全50話のアニメ化が終了します。

そして、TV放送ではなく劇場上映というかたちで
その最終回を終えることが出来ることを、
個人的にも、とてもうれしく、とても楽しみにしています。

実は一度、『続章』が始まる時、
原作者の漆原友紀さんが『日蝕む翳』という書き下ろして、
それをアニメ化した際に、特別に劇場上映されました。

その時も、そのストーリーはもちろんのこと、
そこにあるすべてがすばらしかったのですが、
『日蝕む翳』にはオープニングはありませんでしたので、
オープニングを劇場で観るのは今回が初めてのこととなります。

それにしても『蟲師』という作品に、
このようなかたちで長きに渡ってかかわることが出来たことを、
ぼくは一人の写真家としても、心からうれしく思っています。

それはきっとぼくだけではなく、長濱監督をはじめとした、
かかわったすべてのスタッフも思いは同じだと思います。

しかし今、不思議なことに、終わりだというのに終わりという感じがしないのです。
本編のアニメの制作こそ、これが最後になりますが、
ここからまた、必ず新しい「はじまり」があると確信しています。
いや、すでに、いろいろと始まっているのかもしれません。

そんなはじまりの最後でもある『鈴の雫』ですが、
この機会に、是非劇場にてご覧いただけたらうれしいです。
よろしくお願いいたします。

上映情報などの詳細はこちらをご覧下さい。

『蟲師 続章』公式サイト

December 2017

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