May 2005アーカイブ

早いもので、今日で5月も終わり。早速徳重さんが5月のインデックスページを作ってくれる。今日は昨晩どこか怒りを感じる程に吹き荒れた風雨もおさまり、午後になると一気に晴れ上がる。当然大気のいろいろなものは吹き飛ばされているから、そうなると空は高い。ただあれだけの雨の後晴れたので、気温も湿度と共に一気上がり蒸し暑い夕方だった。何だか目の前の余計なことまで、一緒に吹き飛ばしてくれたかのように一瞬感じた昼下がりの空。@中目黒

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今日は久しぶりに御殿場のアトリエに来ている。天気は快晴とは行かないまでも、あたりは新緑に包まれて空気も仄かに緑の臭いがたちこめている。遠くに近くに小鳥が囀り、時折吹く風で、葉が擦れる音がサワサワと聞こえている。こんな瞬間には音楽は不必要なもの。これより一気に暗室作業。富士山は見えないけれど、このアトリエの大きな窓からは愛鷹山の尾根が眼前に拡がっている。その尾根を伝うように動く雲をぼーっと見ているのが、ぼくは好き。それにしても時の流れは速いもので、若気の至りで建ててしまったこのアトリエも既に築15年。それでも変わらない景色がここにあることは確か。そろそろ作業と思いながらも、ボーッとと空を眺める時が止まる空。@十里木高原

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今日は誕生日。この歳になると特別な感慨はないけれど、こうやって祝ってもらえるのは嬉しいもの。昨晩も典子ちゃんから一日早いプレゼントをいただく。多謝。そして今日は事務所でも、スタッフのみんながケーキや花のプレゼント。そんなわけで先程、全員でケーキを食べながらちょっとしたお祝いをしていただく。多謝。そんな誕生日の朝、やはり何としても生で観たくて、深夜3時より「Champions League」の決勝戦、AC.Milan対Liverpool戦をテレビ観戦。前半が終わって3-0だったので、AC.Milanが圧勝かと思って床に就く。しかし結果は何と! 最終的にはPK戦までもつれ込み、Liverpoolの逆転優勝とのこと。眠ってしまった自分の読みの甘さが悔しい。

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そして今日はこれより憧れのドラマー沼澤尚氏のLIVE。正確には大貫妙子さんのコンサート。朝からその正確なスティック捌きを楽しみにしている。そんなこんなで、なかなか仕事モードに切り替えられない自分がいる。言い訳ばかりで困ったもんだと思いながらも、今日は誕生日ということで。。。(苦笑)それにしても悔やまれる、前半終了の空。@東北沢

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ちょっと停滞気味の今日の空? 昨日も昨日の空がどんな空だったかと問われても答えようがない程に、空模様もコロコロとと入れ替わっていた、しかし今日は午前中の雲も抜けて、夕方にはスッキリとしたとても高さを感じる春空が拡がっていた。昨晩岡本に録画してもらった「タイガー・アンド・ドラゴン」を一気に観る。最初は?と思うも、一気にハマる。ぼくの中でも最近志ん朝師匠のCDを買い求め、ipodに入れて楽しんでいたので、これで落語が流行るかと思うと面白いものでちょっと複雑な感じ。(笑)それにしても西田敏行は改めて役者だと思ったし、個人的には何といっても岡田君が好き。そんなわけで少々眠い。(苦笑)それでも今日も朝から何かとバタつきながらも、先程ちょっと時間が出来たので、久しぶりに近所をゆっくりとお散歩。風が少々冷たく感じるも、この光の下では近所の中目黒公園は新緑の緑が鮮やかで、植生が若いので派手ではないが、草花も今がまさに花ざかり。そして今晩はちょっと時間が空いてしまったが、その春を告げる桜展「SILENT SEEING-Sakura in Beams2005」のちょっとした打ち上げ。しかも深夜には、これまた困ったことにチャンピオンズリーグの決勝戦の生放送も控えている。ということはおそらく明日も寝不足? そんなことのせいには出来ないけれど、そんなことも春だったら許されるような朗らかな季節。そんな春はまだまだ続いている。そしてそんな毎日の中で徐々に日が長くなるのを感じる、お散歩久々の空。@中目黒

今日も間もなくあっという間に一日が終わる。そのぼくにとっては短い一日の中で、天気は大きく移り変わる。午前中はこの後一気に晴れるかなと思うも、朝から湿度は高かった。案の定、夕方には夕立。その雨も先程上がり、こうやって一日を振り返ってみると、天気同様にいろんなことがあった一日。その全てが大切なことであることには違いない。夜半には自身のホームページのインデックスページを久々に更新。そこでN.Y.展の具体的な告知をアップする。こうやって活字になると、その感慨も一入。おそらく久保さんにとっても、これは特別なこと? 様々な空の向こうには、新しい空が必ずあることを空が教えてくれた一日だったのかもしれない。そして明日も必ず新しい空。

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今日は朝から強い風と共にドンヨリとした曇り空。そして今日は久しぶりにお休みの日曜日。今日は予てより楽しみにしていたシャツを作るために、横浜元町に電車で向かう。新しく出来た地下深い駅を降りると雨。まずは老舗のFUKUZO」に向かう。ここは未だに70年代に流行ったハマトラな感じ。おきまりのポロシャツを買い求め、斜向かいの「喜久屋」で沼ちゃんと待ち合わせ。そして本日の本丸「The Poppy」。もちろん何度かお店に入ったことはあるものの、日常的に背広を着ないぼくにとってはおよそ縁がない老舗。敷居が高いのではと思っていたが、老紳士の店員が無知なぼくに親切にアドバイスをしてくれる。その上、沼ちゃんがいるから心強い。多謝。職人さんが一人しかいないので、時間はかかるが(一ヶ月ほど)今からその仕上がりが楽しみ。そしてお決まりのようにその足で中華街に向かう。お店は以前よく行った「吉兆」。予約もしてなかったので無理かと思ったが、運良く待たずに着席。相変わらず美味。新しい駅が出来て、街の装いも何となく新しくなっても、こうやって老舗を回ってみると、そこには30年前と変わらない世界がしっかりと息づいている。しかもこのように変わっても変わらないものというのは、不思議と暖かい安堵感がある。しかしそこに存在しているのは、もちろんすべて現在進行形。どうせやるなら、ぼくもそんなものを作っていきたいと思った一日であった。定番そして定番な空。@横浜元町

今日はご覧のように早朝は晴れそうな空。しかし空は徐々に雲に覆われるスッキリしない天気。ちょっと蒸し暑い。そんな空の中遅めの出社。事務所では様々なフォーマットのプリント。ぼくも自身の作業を終えて、久々に銀座でジム・ジャームッシュ監督の最新映画「コーヒー・アンド・シガレット」を観る。タイトルからして、ぼくの好きなジャームッシュが帰ってきたような気がして映画館に向かった。しかし残念ながら、そのテレビ番組から始まったと言われるその短編集は、先程映画と書いたけれどそれこそ「映画」にもなっていない。ぼくにとっては学生映画以下。しかも画面に登場するのが皆有名人だから、おそらく彼の友人であることさえ疑う程。こつこつ作っていった映画とのことだったが、あのぼくが大学生の時に夢中になった「ストレンジャー・ザン・パラダイス」を作ったジャームッシュはどこに行ってしまったのであろうか? 好きな監督だっただけに何とも悲しい。映画館の観客も当然まばら。改めて続けることの難しさをこんなところで痛感する。しかしかのヴェンダースがあの「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」で帰ってきたように、それを勝手に期待する思い込みの空。

今日は一日中はっきりしない天気。それでも夕方になるとドンヨリとした曇り空に混じって青空に面積が拡がってきた。昨晩はまさに「SNAP」のスナップのように、元プロボクサーの吉田さんの計らいで久しぶりのボクシング観戦。メインイベントは彼の後輩でもある現在日本タイトル一位の渡辺力也選手の一戦。そして生まれて初めてリングに上がる前の控え室にお邪魔する。そのワセリンの臭いの立ちこめた部屋をみると「あしたのジョー」がリアルに蘇りながらも、まさに聖域。結果は圧倒的な勝利で一ラウンドでKO勝ち! 当の力也選手はなかなかの男前で、その体型からもそれこそジョーを彷彿される面構え。おそらく近い将来日本チャンピオン! 吉田さん、清野さんに感謝。そして今日は菜穂子さんがパリから帰ってきた。彼女の留守中に動いたいくつかの事柄について打合せ。しかしその話題のほとんどは、かのロバート・フランク氏の話。今から彼に再会数日を楽しみにしているぼくがいる。その前にもう一仕事と思いを新たに、あっという間に一週間が終わる金曜日の曇り空。@若林陸橋

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またしてもちょっと時間が空いてしまった。何だかんだと慌ただしい毎日。その上あまり得意ではないパソコンの環境でもいろいろあって右往左往している。いつの日からかこんなぼくでも必要なもののひとつとなってしまったことが、何となく苦しい。(苦笑)これで出来ること、出来ないこと含めてコミュニケーションを生業としている以上否定するつもりはないが、どうしてもなかなか好きになれないのも事実。そんな最中ニューヨークより吉報。何と以前「BEAMS NEWS」で一度だけプレビューしたことがある「木漏れ日のコラージュ」のような写真を今回展示したいとのこと。これは写真というよりもむしろ大きな硝子中に銀が混在して、光に共鳴する光の固まりのようなもの? 当然輸送もそれなりに大変で、それだけでも彼らの意気込みを感じることが出来て嬉しい。そして昨晩、おそらく世界一早いインフォメーションを久保さんが自らのブログの中で紹介。まさにいよいよ始動という感じ。同時進行で忙しい最中、哲久氏アートディレクションによる「湿板写真ドキュメント本」の制作も進行中。それでも未来のことはわからない。しかしわからないながらも、多くの友人と共に信じられるものに向かって行くこの感じは、緊張感もそれなりにあって悪くない。とはいうものの、天気も昨日の強い風と共に大きく変化をしている。今日はいきなりかなり蒸し暑い。この暑さが煽るようにいろんなことがアップアップな、このまんまじゃ松な空。@新宿

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今日は天気が目まぐるしく変わった一日。ゆっくり目覚めると相変わらずの寒空。空にカメラを向けるもその光はものごとを曇らす程に冷たく緩い。テレビを点けるとレッズ対マリノス戦。何げに見ていると12年前の今日Jリーグが開幕したとのこと。時間の流れの速さを改めて痛感する。その試合は横浜の三ツ沢競技場で行われていた。するとスタジアムではやがて大粒の雨。その後、こちらでも雷と共にスコールのような雨。暫しものすごい勢いで降って、やがて雨が上がるとスッキリとした青空が拡がる。そしてその雨上がりの町は新緑の緑の匂い。それでも相変わらず気温は低い。そして今晩は、沼尻夫妻と共に、以前より前を通る度に気になっていた下北沢のビストロ「TROCADERO」。特に好物のSoupDePoisonが美味。このような休日のゆったりとした食事は、やはり何よりの休息。まだまだ蓄積された感じの疲労は否めないが、気分は晴れる雨上がりの空。@東北沢

考えてみれば、久しぶりのブログ。東京は一気に季節が逆戻りして寒い毎日が続いている。その寒空の中、このところ何かとばたついているのは確か。身体もちょっと疲れている。今日は土曜日だったけれど、出社して写真をセレクトしたり、ドキュメント本に寄せてテキストを綴ったり。そんな最中、珍しくバンザイのセールの帰りに坪谷君が来社。何だか久しぶりにゆっくり話したような。そして先程無事脱稿。(汗)これで明日はゆっくり休めそう。とにかくこの寒さのせいで、何かと春の勢いを欠く今日は土曜日の空。@目黒川

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今日は朝から冷たい曇り空。いきなり春な気分が一掃される程に、気温もグッと下がってしまった。朝からといっても、家に帰ったのが朝なので(笑)しかも帰宅後に原稿を書いたりしたので、日付の感覚がずれてしまった模様。しかしそんな曇り空も夕方になると雲の合間から青空が少し見えてきた。それに合わせて、いい打合せが出来たことも手伝って、その気分も徐々に上向いてくるから不思議である。相変わらず空につられながら、それにしてものいきなりの寒空。@中目黒

遂に黄金週間が明けた。そして空は人々が休み明けで「仕事したくないモード」を一掃するような青空。しかも気温もすべてが快適で気持ちがいい。どうやらそれは人に限ったことではないようで、すべての植物たちも太陽に向かって真っ直ぐに、まさにすくすくとにこやかに?上を向いているよう。そんな空の下、休み明けということも手伝ってかメキシコ帰りの千葉君も含めて珍しくすべてのスタッフが集まって事務所も春たけなわに一日中賑やか。そしてそんな入れ替わり立ち替わりの中で、本日よりやっとというかようやくというか、キチンとカラーマネージメントが出来るモニターが納品された。これで画像に関しては新しいひとつの基準が出来上がった。しかもその感じがとても今日の光に似ているように感じるから不思議。本当の光とバーチャルな光が時に交錯する程に黄金明けの空。@中目黒

黄金週間も今日で終わり。にもかかわらず今日は一日中スッキリしない曇り空。先述のようにいくつかの原稿を抱えているので何とか書き上げようと思うも、PCに向かうと結局頼まれてもいないことを綴っている? しかも当然書かなくてはいけないのは写真の原稿なのにもかかわらず、そこから派生して「オルタナティブとしてのオーディオ」(笑)確かに間違ってはいないけれど、どうやら正しいとは言えない。しかも何でこうなるのか自分でも判らない。きっと明日は黄金週間明けの月曜日だから、それを考えると余計に心配。それでも何となくつられてゆっくり休めたのは確か。まずは明日天気になあれの空。@東北沢

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一般に写真の世界では、オルタナティブというと古典技法のことを指す。具体的には従来の銀塩写真とカラー写真以外の写真を指してきたが、ここでもデジタル写真の台頭と共にその言葉の意味合いも少々変わってきているように思われる。例えば現在ぼくがやっている湿板写真にしても、オルタナティブの技法のひとつではあるが、自身の実感としては古典技法としてそれを捉えてはいない。現にぼくは、最終的なプリントを定着する上でデジタルプロセスを使用している。そう考えるとそれはむしろこのオルタナティブ「Alternative」という言葉が本来持ち合わせている「代わりの」という意味合いの方がむしろ近い意味合いを持っているように感じている。
今回自身の趣味でもある「オーディオ」を敢えてオルタナティブと言ってみたのもそんなことに起因している。もちろんオーディオ装置は音楽を再生するための装置である。しかもご覧のような大袈裟なシステムになると一般的にはそれだけでいい音が鳴ると想像されるが、実はそんなことは全くない。確かにハイエンドオーディオというのは、他の再生装置に比べると情報量が増えることは確かだが、それが聴者にとって必ずしもいい音であるとは限らない。それは写真の世界で言えば、フイルムサイズが大きくなったからといって必ずしもいい写真が生まれるわけではないという事実と類似している。しかしそこに具体的な必然があったとすると、その状況は一変する。例えばひとつひとつの機材の特徴を吟味し、同時に自身が求めている音のイメージと重ね合わせながらシステムを構築していった場合、時にしてその想像を大きく超える程の印象深い音を再生することがある。その一瞬の快楽が、このオーディオという趣味のすべてといっても過言ではない。そしてオーディオのその機材の選定及びに電気的なシステムの構築は、写真のそれと驚く程に類似している。現にこのオーディオという趣味がなかったなら間違いなく、ぼくは湿板写真を試行していないと思われる。そう考えるとぼくにとってはオーディオさえも、ひとつのオルタナティブといえるような気がしないでもない。
とはいうものの、写真を撮るにしても音楽を聴くにしても、やはり楽しいのが何より。 2005/05/08

東京に気持ちのいい青空が帰ってきた。どうやら昨日の雨が花粉も一掃してくれたようで、個人的には大気そのものも極めて快適。こんな時は外に出掛けたいと思うも、未だ世間は終わりに近づいた黄金週間。そんなわけで、貯まっている作業をこなしに事務所に向かう。事務所ではチーム・プリンツも作業を続けている。まずは原稿と思ったがなかなか降りてこなくて、まさに産みの苦しみの真っ最中。気分転換にとこうやってブログってみる。しかし頭に浮かぶのは、やはり制作のいろいろ。そうこうしているうちに日も傾いてきた。窓辺にはまさに色温度4500Kに陽光がこぼれてきている。やはりぼくはこの季節の光が一番好き。

偶然にも二日続けて14:49の空。今日はこどもの日が終わったとたんに、空模様は一転してシトシトと雨。その雨も夜になると春雨とは言えぬ程の雨量に変わる。それもさることながら気温も一気に下がってきた。今日は連休中の金曜日。その中でのこの天気はいきなり季節感を失う程に実感が湧かない一日。世間はまだまだお休みモードながら、何となく落ち着かない自分がいる。やはりこんな時こそ青空が望ましいと感じる今日は一日雨の空。@代官山

今日は一日中仕事の方はお休み。そんなわけで午後には久しぶりに、近所の和菓子屋で柏餅を手土産に実家に顔を出す。最近足の調子が悪い母を見舞うつもりが、一足早い節句のお祝いに赤飯とぼくの好物の筍汁を作って待っていてくれた。多謝。それにしても歳をとった母が心配。そしてあっという間に大きくなった姪っ子が可愛くて、我を忘れて慣れない子供遊び。(笑)どうやら横浜に行ったら朝方グズグズしていた花粉症もすっかり解消し、これで今年は終了ということか。だったら嬉しい、筍の終わりと共に花粉も終わるお休みの空。@三ツ沢あたり

今日は午前中曇っていた雲も午後になると消えて、気持ちのいい青空が拡がっている。今日も世間はお休みながら、何となくニューヨークの件もあって頭は異常な程活性化しているので、お休みな気分にもなれず、静かでちょうどいいので事務所に出てあれこれと思考と作業を繰り返している。横では、やはりお休みにもかかわらず、久保さんたちも黙々と作業を続けている。いつもであれば、今まで何回となく撮影している、目黒川のいつもの場所から見える空も、まるで仕事モードの匂いがしないから不思議。それは物理的ではないところで、極めて静寂な気配がする。その気配が一層この青空を高く感じさせるような静寂な青空。@中目黒

今日も世間はゴールデンウィーク真っ只中。しかしこちらはカレンダー通りに通常営業。それでもやはり電話もいつもに比べてもかなり少ない。そんないつもより静かな月曜日の中で来客が続いている。こうやって入れ替わり立ち替わり現れる友人たちの顔が、こうやってコメントを書いていると走馬燈のように浮かんでくる。そして思い浮かぶ言葉は、月並みながら呟きのような「ありがとう」という言葉。それと同時にこちらの手綱もゆっくりと引き締まっていく。しかし今日は一日中はっきりしない空が拡がっていた。風も生温く、湿度も高い。それでも天気以上に心が晴れる小さくありがとうの空。@中目黒

今日の空の写真を見ても、今日の空の感じがしない。それというのも今日は、長い間楽しみにしていたアンナ・ネトレプコの初めてのソプラノリサイタルを観に東京オペラシティー。その予想以上の彼女のすべてに感動する。詳細は改めてこのブログで書くつもり。今日のコンサートは昼間だったので、夜は沼尻家にお邪魔して、またしても夕食をご馳走になる。新じゃがの肉じゃがはもちろんのこと、相変わらずの安定した腕前に感嘆。多謝。深夜家に戻って、まずは空の更新。そして今「MONSTER」の再放送を見ながら、ダラダラとブログ。月も変わったので、このブログのタイトルを「東京観光写真倶楽部」とし、テキストとコメントはこちらで展開することにする。それにしてもアンナ・ネトレプコはとても可愛い女性だった。夕刻には雨。しかも今晩の雨は、粒が小さく揃っていて、風がなかったことも手伝って真っ直ぐと空から降り注ぎ、とてもきれいだった。その雨を見ても、彼女の歌声を思い出す程に印象的な今日の空。

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それは確か昨年の夏のある日曜日。
ぼくは横浜の元町に母を迎えに行くために車を走らせていた。偶然にもその日はあの有名なザルツブルグ音楽祭の生中継をNHK-FMが放送していた。生放送であることに驚きながら、何よりも次から次へと放送されるその素晴らしい演奏に魅了されていた。その中継の合間にアナウンサーの話題は、既に来年(現在では今年)の話をしていた。それは、あるソプラノ歌手が衝撃的なデビューを果たし、ヨーロッパにおいてもあっという間にその人気が高まり、何と今年のザルツブルグ音楽祭では、ほとんどのモーツァルトのオペラで主役を務めるとのことだった。その時は何となく聞き流していたので、すごいな〜と思っていたら、やがてラジオからは聞き慣れた「椿姫」のアリアが流れてきた。それは自身の愛聴盤でもある先日他界してしまったテバルディのそれとはまるで異質のもので、その歌声が美しかったのはもちろんのこと、その歌い手の動きさえもが不思議な程リアルに感じることが出来た。ぼくは思わず車を停めて、暫しその歌声に瞬く間に心奪われた。もちろんぼくにはオペラのその技術的なことはよくわからない。しかし少なくともぼくには彼女のその歌声が、今までぼくがオペラの世界で耳にしたことがない現代的な説得力と共に、改めて歌を聴くという当たり前のことを思い出させてくれたのは確かであった。思い起こせば、ぼくのオペラ初体験は1989年8月に故萩元晴彦氏に連れられてNewYorkCityOperaにてのプッチーニ作「La Bohem」。しかもその舞台は幸運にも、そこで印象的なmimi役を演じていたルネ・フレミングのニューヨーク・デビューでもあった。その後なかなかオペラを聴く機会はなかったが、数年前よりオーディオを始めてからマリア・カラスにはじまっていわゆるオリジナル盤の音に魅了されて、今では数十枚のコレクションがある。その中にももちろん大好きなものも多く存在するが、それでも彼女の歌声は衝撃的だった。ぼくはどうしてもその歌手の名前が知りたくて、次の日にNHKに問い合わせをした。彼女の名前は「アンナ・ネトレプコ」というロシア人。早速タワーレコードに走ると、驚くことに予想以上の美人! 完全に天は二物を与えた。しかも彼女は、あの有名なマリンスキー劇場の練習生だった時に、突然音楽監督のゲルギエフに大抜擢されてデビューしたというシンデレラストーリーも持ち合わせているとのこと。どうやら話題にはこと欠かさないようである。そして何と言ってもクラシックの世界では異例の老舗ドイツ・グラムフォンと長期契約を結び、その上マドンナのPVを作っているディレクターが自ら望んで彼女のPVを撮り下ろし、DVDまで発売されている。(もちろん持っている・笑)それどころか、それまでアナログ専用のシステムだった我が家のオーディオシステムにも、今では彼女のCDを聴くためにCDプレーヤーが用意されている。(笑)

前置きが長くなってしまったが、今日5月1日の日曜日はそんな彼女の日本における初のソプラノ・リサイタルが東京オペラシティーで公演された。もちろんチケットは半年程前、発売と同時に入手していた。しかもその日が仕事でないことを祈っての日曜日。そんな長い間楽しみにしていた日曜日の午後3時の開演に、彼女は遅れることなくピアニストのマルコム・マルティノーを伴って淡いピンクのドレスを纏って舞台に現れた。その彼女の第一印象は、嬉しいことに写真以上に可愛らしく、そしてその均整のとれた全身からはそのドレスのスパンコール以上にキラキラとオーラのようなものが漂っていた。そしてひと度歌い始めると、これもまたCD以上にその声は澄んでいてしかも説得力がある。何よりもその表現力に、そこに立ち会った観客のすべてが魅了されていった。演目はモーツァルトの「イドメネオ」のアリアに始まって、シュトラウスの歌曲等々。その観客の反応に彼女も呼応するように、徐々にその歌声にも磨きがかかってきた。その様は改めて音楽というものもコミュニケーションのひとつであることを図らずも目の当たりに証明していった。そしてすべての楽曲が終わると、ご覧のようなスタンディングオベーションと「Bravo!」の嵐。実は今まで、ぼくはこの「Bravo!」の感じが苦手であった。しかしそんなぼくも気が付くと「Bravo!」と叫んでいる。(笑)鳴りやまない拍手に、彼女は嫌な顔ひとつせずにアンコールも4曲程披露してくれた。少なくともぼくはクラシックのコンサートで、このような状況に立ち会ったのは初めてである。その上大満足で会場を出ると、ロビーにはあっという間に長蛇の列。何とあれだけの熱唱の後にもかかわらずサイン会があるとのこと。ぼくも半信半疑でその列に並んだ。その数は優に200人を越えている。するとやがてジーンズに着替えた彼女がロビーに現れた。ぼくはちょうど半分ぐらいのところだったけれど、彼女はここでも嫌な顔ひとつせずにひとりひとり丁寧にサインと握手を繰り返していた。ぼくの時も本人同様に可愛らしいサインと共に握手をしてくれた。そしてぼくの簡単なお礼と賞賛に対しても本当に嬉しそうな表情で答えてくれた。やはりこの人柄が歌にも現れているからこそこれだけ多くの人を魅了するのだと確信した。改めて彼女の大ファンになったのはもちろんのこと未来がとても楽しみになった瞬間でもあった。これからはマリア・カラスではなく、現在進行形のアンナ・ネトレプコと共にぼくのオペラは存在していくのだと思ったらそれだけで幸せな気分になる。今から来年日本で公演予定の「ドン・ジョバンニ」が楽しみ。きっとそれも日曜日なのかもしれない。 2005/05/01

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ホームページを改訂して、あっという間に一ヶ月。当初テキスト無しで始めたものの、やはりテキストがないと・・・というメールも多く戴き、自分自身でも空を見上げながら、自然と言葉が浮かんでいたのも事実。そしてテキストは、このブログの中で気ままに、時間がある時に書くという新しい習慣が生まれた。一ヶ月振り返ってみても、写真そのものが語ってくる空の写真が多くなったのも確か。その分、疎かになってしまったのが、当初毎週月曜日に更新しようと思っていた「SNAP」のページ。そこでは「東京観光写真倶楽部」と題して、空の下で起こるいろいろを観光し、そこで思ったいろいろを綴るつもりだった。しかし考えてみたら、それは「今日の空」のテキストと大いに重なる。そんなわけで、本日より、このブログのタイトルも、いよいよ今月末より、本格的にその活動も始動する「東京観光写真倶楽部」として、テキスト及びにコメントはこの場所で展開することとする。乞うご期待。

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