思えばこのブログも久しぶり。今回は滞在したホテルの部屋においての通信事情があまり良くなかったたし、正直そんな余裕もなかったのが本当のところ。それでも慌ただしい中でいろんな光景に出会ったのも確か。そのあたりのスナップ写真は明日にでもアップする予定。そして今回の渡米の目的は何よりもPace/MacGill Galleryにおける「Made in the shade」展が全て。ご覧のようにこの上なく美しく、何とも光栄な展示に大いに感嘆。そして何よりもぼくのような新人作家をメインに掲げてくれたオーナーのPeterさんの心意気が嬉しかった。滞在中、彼とも忙しい最中お会いして拙い英語で数十分写真を見ながらミーティングをすることが出来た。とかくアートワールドを語るとき、そこには様々な情報が錯綜する。しかし今回ぼくがそこで感じたのは、そんなことは周りが勝手に言っていることで、その実態はもっと個人対個人の通常のコミュニケーションの上に存在しているという紛れもない事実だったような気がする。しかも彼は、その世界においては間違いなく頂点に存在している人だということを改めて実感した。そして今、その人とこうやって新しいスタートが切れたことを、心から誇りに感じている。しかもだからといって何が変わるわけではない。それを証明するかのように、今回は多くの仲間が同行してくれて、同じ場所に立っていた。そのことが嬉しかったし、その分どこかでまだまだ他人事のような気分? それにしてもニューヨークという土地は、いわゆるアートと呼ばれるものが生活に非常に近いところで存在していることを改めて痛感した。それこそ今回はみんなでヤンキースの試合も見に行ってはみたものの、そのことは既にぼくの記憶からは消えつつある。そしてこうやって日本に帰ってきて、残像として強く残っているのは、やはり新しくなった「MoMA」だったり、現在Mapplethope展を準備中のグッケンハイム美術館、そしてその街のど真ん中にある「Pace Gallery」の存在だったりする。そしてそれらの場所には、それこそあの街の全ての光景が凝縮されているような錯覚を覚える程。その光景を思い出しながら、これももしかしたらひとつの観光なのかもしれないと感じた今回のニューヨーク滞在だった。そしてぼくの写真が、その光景のひとつになった瞬間でもあったような気がしている。それでも残念だったことがひとつ。再会を心から楽しみにしていたロバート・フランク氏は、猛暑のニューヨークを離れてカナダのアトリエに行ってしまっていたので今回お会いすることが出来なかった。改めて「MADE IN THE SHADE」を敬愛するロバート・フランク氏に観て欲しいと願っている。
December 2017
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