フィンランドの光

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ヘルシンキ駅にて

先日、フィンランドを代表する作曲家シベリウスの
"Andante Festivo"という曲を紹介しましたが、
ぼくもあれからずっと、何度もシベリウスを聴いています。

そしてあらためて確信したのは、
その世界の中にある"光"の有り様。
それは、シベリウスの音楽全体的に言えることですが、
明らかに、陰の中から光を見つめているかのような音楽。
もちろんそれは、シベリウスだけに限ったことではありません。
大好きなトーベ・ヤンソン作の"ムーミン"も同じように、
陰から光を見つめているかのような物語とも言えるようなお話し。
現に、トーベ・ヤンソンの初期の原画には、
実際にそのようなシーンそのものを描いているものが多くあります。
そして、それらはすべて"あたたかところ"へ
向かっているかのような印象そのもの。

考えてみたら、ぼくが2000年に湿板写真という新たな方法を手にして、
奄美の木漏れ日の撮影が始まったとき、
いみじくもぼくはその「湿板写真プロジェクト」を
"The Light insight from The Shade"と名付けました。
そして、奄美大島の田中一村記念美術館において
「あかるいところ」というタイトルで写真展を行いました。
そして今も、津軽での撮影を繰り返しながら、
ぼくなりの「あたたかいところ」をさがしています。

ぼくにとって北欧というところは、
20代の頃、何度も訪れる機会があったこともあって
大好きな場所のひとつであると同時に
そこにある光に対して、そして色彩に対して、
とても純粋なところという印象があります。


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そして先日、初めてのフィンランドをご一緒した武井さんが
フィンランドのおじさんになる方法。」という書籍を上梓しました。

大好きだったこの連載も、こうやって書籍になると、
やはりあらためて、とてもあたたかい印象がありました。

それにしてもフィンランドという国は、
独特のはげしさもありながらも、
つくづく魅力的なところですね。


December 2017

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