今日は朝から雲が多く、太陽もその雲間を出たり入ったりと忙しい。それでもひと度、雲間から太陽が覗くとその直射日光は、体感的にもあっという間に熱を感じる程にかなり強い。そしてどうやら世間は昨日あたりからお盆休み突入の模様で、あたりの様子もいつもとは少し違う様相。それにしても不安定な天候で、しかも相変わらず蒸し暑い。昨晩も写真を届けに鈴木さんのところに伺い、それこそ久々に「福よし」。相変わらずの美味。そして多謝。その後下戸なぼく達は、いつものように二人でカフェ。(笑)そこで偶然にも、「クィーンのオペラ」観劇のために浜松より上京していた、鈴木さんの奥さんと娘さんに初めてお会いする。何と娘さんは話には聞いていたけれど17歳! 驚きと共に感嘆。当然だけど、17歳というのは子供ではなく大人である。(笑)しばし歓談し、やがて空からパラパラと雨が落ちてきたので慌てて家路に着く。すると突然の大雨に見舞われる。そして今度はその雨のすごさに驚き、短い時間に驚きが続いた夜だった。それでも家に着く頃にはほとんどその雨も止んでいた。
今日は本当ならちょっと仕事も溜まってしまっているので、出社しようと思っていたが、とりあえず家で出来ることを持ち帰って、自宅でいろいろ。本当なら夜は沼ちゃんの家にお邪魔する予定だったが、桜庭の体調が優れずそれも順延。考えてみればこうやって自宅にいるのも久々。そんなわけで、これまた久しぶりに音を出してみる。オーディオ的にはこんな季節なので、音の方も幾分抜けが悪い? それでも久しぶりに聴くそれなりに積み上げてきたその音は、しっかりとした実体を持っている。
一方外の方は案の定、夕方になるとまたしてもバケツをひっくり返したような雷雨。しかしその雨も昨日同様あっという間に止んで、ムンムンとした静かな夕暮れ。それでも空の気配はまだまだ不安定な感じ。天気予報でも、朝からこの「不安定」を繰り返す。こちらはその不安定な空の下で、気が付けばもうすぐ日が暮れる。そのことに少々戸惑いながらも、たまにはこんな日もいいもの?
いつになく自宅でのんびりする、帰省ラッシュピークの土曜日の空。@東北沢
このオーディオという趣味を始めて、かれこれ5〜6年程。その間に二度引っ越した。部屋が変わると当然音が変わる。それでも変わらない音があって、それこそが機材の個性としての音であり、あるいはそのソースが持っている本当の音ということになる。子供の頃はいわゆる「コンポ」と呼ばれていた廉価なオーディオ装置を駆使してレコードを聴いていた。しかし社会人になって、ソフトもアナログ盤からCDへと変わっていった。確かにCDはノイズもなく、扱いも容易く便利ではある。しかし肝心の音に関しては、何となく同じソフトでもアナログ盤に比べると、何となく音も細く感じて、しかも何となく冷たく感じて、ぼく自身もそのせいか? 気が付くとしっかり向かい合って「聴く」という情熱を失ってしまっていたような気がする。しかしある時、現在事務所で使っている「LINN CLASSIK」という、ちょっとだけ高級な一体型CDプレーヤーの音を聴いてハッとしたのであった。その音は明らかに自身が無意識の中で諦めていた淡泊なCDの音ではなく、音楽的な音が鳴っていた。(そしてこのことは、昨今のデジタルカメラにも同じことが言える。)その瞬間からぼくの中で、オーディオそして録音音楽に対しての興味が再燃した。特に慣れ親しんでいたアナログ盤を久しぶりに引っ張り出して聴いてみると、その音がむしろとても新鮮に感じたのであった。そして徐々にではあるけれど、本格的にオーディオと向かい合っていった。それこそ一番最初に久々にオーディオ装置を持ち込んだのは、当時ちょっとした自身の書斎代わりに使っていた和室。実はこの和室というのは、畳のおかげで音響的には極めてデッドで、その分コントロールしやすいという特徴を持っている。(これも全て今だから言えること・笑)そして次に引っ越した家も和室だった。しかしその部屋は、いろんな意味で音楽を聴く気にもなれない程に環境が悪く、ぼくはオーディオだけのために、早々に引っ越しをした。(苦笑)そして今の家は、床もコンクリートなので今までの和室とは、全くもって勝手が違う。もちろん違う環境でやってみたかったので、ここに引っ越したところもある。それでも最初のうちは、もうオーディオは止めようと思う程にどうにもならなかった。何よりデッドの部屋からライブの部屋に変わったわけだから当然といえば当然で、およそ2ヶ月間ほどは、仕事も手に着かない程に悪戦苦闘を繰り返したもの。(笑)それでも、詳細は避けるとしても、電気的なことを含めて今までの経験が功を奏して、今までとは異なる音ながら、現在は自分なりの音が鳴っていると自負している。そのシステムは、基本的にはアナログベースで、CDはおまけのようなもの。それはやはりオーディオというのもバランスが大事で、オリジナル盤を聴くことを中心と考えたときには、80年代のマーク・レビンソンのアンプに、70年代のJBLのスピーカーを中心とした、今のシステムがぼくにとっては好ましい。そして日に日にCDの音質が向上しているが、それでもぼくの手元にあるオリジナル盤の数々は、生涯大切なもののひとつになると想像している。とにかくぼくはオーディオから多くのものを学んだことは確か。現在ニューヨークで展示中の湿板写真にしても、オーディオをやっていなかったら、おそらくあのようなかたちで定着することはかなわなかったのではないかと思っている。
それにしても、どんなときも音楽はいいもの。そしてぼくはレコードに針を落としながら音楽を聴く感じをまだまだ楽しんでいる。