Lightwavegraphy

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from Mushishi's opening act

来る10月20日よりBEAMS新宿の「B Gallery」にて、実は初のストロベリーズ展でもある「I LIKE TODAY」展が開催される。
今展は、基本的には、我がストロベリーズの新鋭、千葉尚史、田尾沙織、塚崎裕子ら三人の写真展。そして彼らが、大きな意味での「観光」という写真行為の中で生みだした「一枚の写真」は、実は他にも様々なものを生み出していく。そういったことが、おそらく写真を取り巻く環境が大きく変わっていることのひとつなのではないか? と感じている。そこで今回は、彼らに中でも最もポピュラーで、古典的な副産物とも言える「本」を作ってもらうことにした。しかしそこはやはり現代写真家たちなので、ただの「本」ではなく、塚崎に至っては、もともと漫画家だということもあって、その「一枚の写真」から生まれた「漫画本」が出来上がる予定。乞うご期待。
一方、ぼくの方はというと、今回は具体的な「一枚の写真」は展示しない。その「I LIKE TODAY」という毎日の中で生まれる写真から新たな「Lightwavegraphy」を作り上げて、会場内でプレビューする予定。この「Lightwavegraphy」というのは、偶然にも同時期(10/22)よりオン・エアされる「アニメ・蟲師」のオープニング・ディレクターを長濱監督より頼まれて、試行錯誤の制作の中で生まれた新しい映像概念のひとつ。それは基本的には「モニター」という近代的な発光体の中で、改めてそれらの映像を「光そのもの」として、強く意識しながら構成されたもの。しかしその印象は驚く程にとても写真的だったりする。しかもその映像群は、少なくともぼく自身が懸念しているデジタル映像独特の薄っぺらい感じとは異なった印象を与えてくれる。だからこそ、ぼくはそこにひとつの可能性を感じている。しかもその感じは、「湿板写真」という古典技法と向かい合う感じにとても似ているから不思議である。
そして今回は、そのベーシックになったとも言える「日常を観光する」といって、かれこれ三年近く毎日更新中の「今日の空」がモチーフ。何となくイメージはあるものの、この「空」というのは、そのたわいもない「今日という日常」の中においては、それこそ「光そのもの」なので、当然のことながら、その編集は極めて難しいことが予想される。

そして本日より、その編集にいよいよ岡本が着手した。それこそ彼女は、ぼくが映画の撮影監督を務めた時から始まって、「湿板写真プロジェクト」を含め、現在に至るその全てのいろいろを知っている。そうでないと理解することが難しい部分もあるので、おそらくこの「Lightwavegraphy」という概念、及びに制作に関しては、彼女無しでは成立しない。
とにかく現時点では、制作を開始したというご報告。そしてその結果をお楽しみに。

December 2017

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