本日というか既に昨晩、小松空港よりの最終便で、加賀・金沢ロケから帰ってきた。明日も早いので、まとめて更新しようかと思っていたけれど、やはりそれでは「今日の空」とは言えないので、ちょっとだけ無理をしての更新。先日一生懸命書いたものが、ソフトウェアの不具合で消えてしまったので、ちょっと一瞬冷めてしまったのも確か。そこは気を取り直して、再び再開?
それにしても、やはり今回も、仕事だったけれど、人との関わりが全てだったような加賀の旅。「あらや」の女将さんも忙しい中、毎日夜遅くまで付き合ってくれて、楽しいひとときを共有していただいた。篆刻家の北村南苑さんも、これまたお忙しい中、毎日お会いして、いろいろと教えていただいた。そういった全てに心より多謝。
そんな毎日の中で、やはり強く印象に残ったのは、何といっても金沢あるいは加賀という地にしっかりと根ざしている文化というものが、日常の中に脈々と当たり前のように、しかもとても大きな姿で存在しているという紛れもない事実だった。おそらく現在、東京にはもっとも大きな経済が存在しているはず。しかし、こと文化的な側面では、東京のそれとはまるで比較にならない。そのことが不思議でもあり、少しばかり残念な事実。ぼく自身も、決してそういった文化的なことが全てとは思わないけれど、それでもやはり何となく淋しいと感じるし、大切なことのひとつであるような気がする。
中でも個人的に最も興奮したのが、本日南苑さんの紹介で見学に行った金沢より車で20分程の湯涌温泉の近所にある「創作の森」という名の工房村。そこはその広い敷地の中に、移築されたり新たに建てられた純日本風の各工房が建ち並び、しかも一般の人たちも非常に廉価で利用することが出来る。その上、宿泊施設もあって、機材の充実度もかなりのもの。
ぼくは予てより、かのロバート・メープルソープ氏もやっていた「フォト・グラヴュール」という技法でのプリントを模索していた。しかし現在、残念ながら日本において、この手法でプリントをする工房はほとんどない。よって自身でやるしかないわけである。とはいうものの、いざやろうにも機材の準備だけでも、それを設置する場所も含めて至難の業。
そんなぼくにとって、この「創作の森」のような場所があることだけでも、大きな光明。ただそこで、具体的に「フォト・グラビュール」をやっているわけではないので、果たしてそれが可能かどうかは定かではないので、まずはトライすることが先決。
そして、どうやらこの地では昔からこうやっていつの日も「あたらしいもの」が生まれていったに違いない。