今日は、今週末は天気が崩れるとの予報が変わり、暖かい青空が拡がった。
そんなわけで、急遽、先日の第一回「東京観光写真倶楽部」築地編に、参加することが出来なかった人と、技術的なことも含めて再撮したいと願う人たちが集って、築地に行くというので、それにちょっと付き合ってみる。
ぼくも一緒になって、今一度撮影してみたものの、残念ながらこれといった手応え無し?
市場は、土曜日ということもあって、先日程ではないものの、それでも相変わらずの人出。そしてまたしても、今度は場内で、昼食に寿司。驚くことに、やはり場内は場外以上に美味。しかもそこで、ちょっとした福引きがあって、何と、ぼくだけ三等賞! またしても、こんなところで大切な運を小さく使ってしまった。(笑)とはいうものの、このてのものは嬉しいもの。
その後、築地を後にして、先日久保さんのブログでも紹介していた、現在「庭園美術館」で開催中の「庭園植物記展に向かう。何を隠そう、庭園美術館はぼくが一番好きな美術館。その落ち着いて、作品と向かい合える感じの距離感が、自分にはすごく合っているような気がしている。しかも今日は、みんなと一緒だったので、展覧会を観て、美しい図録を入手しただけで後にしたが、(実はこの図録が一番の目的だったのかも?笑)本来は、この美術館鑑賞の後に、庭園をブラブラするのが、実はぼくにとっては最上の美術鑑賞。そしてこれは、他の美術館では絶対に味わえない魅力のひとつ。
肝心の展示作品の方は、美しい植物画に関しては、その全てが秀逸。しかし残念なのは、今回は植物画に混じって、多くの写真作品が展示されていたにもかかわらず、それが新しいものになればなる程に、東松照明氏以外の写真は、全てが写真ではなく、単なる「花柄」に見えてしまったことが悲しい。しかし湿板写真をはじめとした、数点の古い写真を観られたことが、不幸中の幸い?
それというのも、そういった経緯の中で、写真そのものの役割と質が確実に変わっていることを、解ってはいたものの、再確認することが出来た。解りやすく言うと、古い写真には、その描写の中に、絵画的なものが残っていて、それが、最近の写真になると、情報としての画像という側面が強いように感じた。だから、それらの「花柄」の中からは、色やかたちといった情報量は伝わってくるものの、手書きゆえに、その「一枚の絵画」に関わった、長い時間の中で、「視点」の蓄積として構築されたものならではの、ゆっくりとした時間がそこには存在し、そしてその分、作者が何を見ようとしていたかもよく理解することが出来るし、何よりもその印象はとても温かい。
もちろんそういった写真も、他にはいっぱいあって、やはりぼくはそういうものが好き。
そんなわけで、いい意味で目から鱗な展覧会だったとも言えるかも?
「たわいもない日常を綴る」と言いながら、時折、この「たわいもない日常」そのものに押しつぶされそうになりながらも、不思議なもので、空を見上げながら、カモメにまで思いを馳せる、これも「観光」な空。@築地