先程、秋田から東京に戻ってきた。
今日の秋田は、朝から猛吹雪。
それにしても、今回は申し訳ない程に最悪の体調で、
どうやら天気もそれにつきあってくれた模様?
それでも今日は、かなり熱も下がってこともあって、
じっとしていられずに、近所を散歩と外に出る。
やはり北国の現実は、それなりに厳しくて、
郵便局の局員さんも大変だなぁ〜と思って
「ご苦労様!」と声をかけてみるも・・・
なかなか写真を撮るなんて気分にはならないもの。
見た目には、珍しくて面白いものがたくさんあるんだけれど、
それを単純に面白がるのも気が引けて、
なかなかシャッターが押せない。
そんな真っ白な散歩を終えて、
その写真をMacに取り込んではみたものの、
予想通りに、ろくなものが写っていない。
ひとり落胆していると、秋田のお父さんが、
「ちょっと早めに出ようか」と車を出してくれた。
とりあえず大潟村にでも行ってみようと
家を出てみたものの、ご覧のような猛吹雪で早々に断念。
秋田港沿いの道を抜けて、お気に入りの場所でもある
「出戸浜海水浴場」に連れて行ってもらう。
ぼくほ、この冬の日本海の誰もいない海水浴場が
不思議と大好きだったりする。
しかも今日の吹雪は、この海岸に対して
右手の男鹿半島側から吹き付けてきているので、
ちょうどその影になっているようで、吹雪いてはいない。
それでも猛烈な風が吹いている。
さすがに海岸線は危険なようで、警備員のおじさんがいた。
ぼくがその強風に煽られながら、フラフラ歩いていると
「写真かぁ〜、ホントはダメなんだけど、
今日はいいー潮の花ー出てるからいいかぁ〜」
「潮の花ですか?」
「まぁ、いいから行ってみな。きれいだから、
気をつけて、いい写真撮ってね!」
と声をかけてもらって、その寒さも一気に吹き飛んだように
勢い込んで、海岸線に向かった。
先程、国道から見えていた海の海面は真っ白で、
ぼくはてっきり、それも雪かと思っていた。
しかし実は、それこそが「潮の花」と呼ばれるものだった。
どうやらこの「潮の花」というのは、
今日のように海が荒れた時、
海水がものすごい勢いで攪拌されて出来るものらしい。
しかも、今日のような真冬の「潮の花」は、
表面が、すぐに凍ってその泡も長持ちして、
しかもこれ程強い風の風紋をまとった「潮の花」は、
なかなか見ることが出来ないとのこと。
またしても、新年早々に幸運に恵まれた。
それにしても、ものすごい海風だった。
そうやって暫し、寒風の中で撮影を繰り返し、
またしても猛吹雪の道路を引き返して、
今度は秋田空港に送っていただく。多謝。
飛行機が飛ぶかどうか心配ではあったものの、
空港に近づくにつれ、雪も上がり、
飛行機は無事に離陸し、いくつかの雪雲を抜けて
羽田空港に着陸した。
東京に戻ると、真っ白だった秋田の風景とは一転して
夜だというのに、煌々とネオンが灯っている。
そしてその街明かりを見ていると
先程まで見ていた「潮の花」とシンクロしたりするから
これもまた不思議なものである。