今日は、予報通りに早朝より快晴!
ぼくたちは日の出と共に、ホテルを出て、
まず最初に、琵琶湖畔に向かう。
着いたときには、青白く霞んでいた湖面に
ゆっくりと、赤みが射してきて、
そこに色彩が生まれる。
しかも、このように湖畔に映る桜は、
この上なく美しい。
左の写真が午前5:30
右の写真が午前6:30
ぼくは、この一時間の間で移り変わる
桜の写真を撮っていた。
確かにそれは、桜の花が一日の中で
唯一、ものを言う瞬間だったのかもしれない。。。
だから、そんな何かが写ったような気がする。
こうやって、毎年桜の写真を撮っているけれど、
それでも、この「写った」という感覚を持てるのは
実は希なことだったりするので、
やはり、それ程に桜の写真は、
難しいということなのかもしれない。
そして、今度はいよいよ昨日話した
「棚田の桜」に向かう。
その正式名称は「いのけの桜」という。
(この畑のご主人がいのさんとのこと。)
ウトウトしていると、ロケバスはあっという間に
そのいのさんの棚田に到着。
すると、いきなり眼前には、
その春の朝独特の、とても透明度の高い順光の中で、
神々しく、静かに佇む一本の桜が現れた。
その桜は、昨日の雨の中におけるそれとは
まるで別物で、その美しさも何となく想像はしていたものの、
それはまるで異なる樹が新しく現れたかのように見えるから、
やはり光が、いろんなものを見せてくれているという
紛れもない事実を、改めて実感する。
この「いのけの桜」は、今のところ
まだガイドブックにも載っていないので、
観光地に比べると、少ないながらも
それでも、その噂を聞きつけた、アマチュアカメラマンたちが
多数訪れていた。
しかも皆さんは、各自に思い思いの場所で、
それこそ手持ちのカメラで撮影している
ぼくをよそに、しっかりと三脚を立てて光を待っている。
しかも、みんなぼくよりもいいカメラを持っている。
どうやらまだまだ、日本のカメラ市場は安泰の模様?(笑)
そしてぼくは、この桜の有り様に逆らうことなく、
ひたすら真正面から、何度も何度も確かめるように
撮影を繰り返した。
それはまるで、この桜の花が光と交錯するキラキラした感じを
フイルムの中に、乱反射させながらしみ込ませるような感じで。
そしてぼくは、そのことと向かい合いながらも、
そこに、簡単には写るわけもない
ぼくなりの思いみたいなものも一緒に、
乱反射していたような気がしていた?
そして今日は、ここでも何となくながら、
そんないろいろが「写った」という感覚を得ることが出来た。
こうやって一日に、何度もそんな風に思えるのだから、
それ程に、今日の光は美しいということなのかもしれない。
棚田に立つ、一本の桜の樹。
しかも、それはまるで、いきなり映画でも出来そうな一本の桜。
そして何よりも叶うならばずっと変わらずに、
ここに立っていて欲しいと思った。
それを確かめるためにも、また見に来ますね。